実際に世のためになるものなら、事業的にも必ず成立する。世のためにならぬものなら成立するはずがない。これは道義と経済の一致を物語る。

人物:岩波茂雄(いわなみしげお)

1881-1946年。長野県生まれ。東京帝大哲学科選科を卒業後、東京の神田高女に勤務。1913年、神田神保町に古書店岩波書店を開業。翌年、夏目漱石の『こゝろ』を出版し、出版業に乗り出す。1917年には、最初の『漱石全集』を刊行。のちに岩波文庫と岩波新書を発刊し、「岩波文化」とよばれる独自の出版文化を築いた。1946年、文化勲章受章。