事をなすのは、その人間の弁舌や才智ではない。人間の魅力なのだ。私にはそれがとぼしい。しかしあなたにはそれがある、と私はみた。人どころか、山でさえ、あなたの一声で動きそうな思いがする。
人物:木戸孝允(きどたかよし)
1833-1877年。長州藩出身。初め桂小五郎と称し、のち木戸姓。松下村塾で学び、尊王攘夷運動に奔走。禁門の変や長州征伐で諸藩から孤立を深める長州藩の中枢にあって藩政を支え、薩長同盟の密約を成立させる。明治維新後は、五箇条の御誓文の起草、版籍奉還、廃藩置県などに尽力。大久保利通、西郷隆盛とともに維新の三傑の一人に数えられる。