時間というものを、無限と見ては、いけないのである。そんな大げさな、子供の夢みたいなことを、本気に考えてはいけない。時間というものは、生まれてから、死ぬまでの間です。

人物:坂口安吾(さかぐちあんご)

1906-1955年。新潟県生まれ。本名は坂口炳五(へいご)。1930年、友人らと同人雑誌『言葉』を創刊。翌年発表した『風博士』を牧野信一に激賞され、新進作家として認められる。1946年には『堕落論』『白痴』を発表し、一躍人気作家に。代表作に『紫大納言』『真珠』『桜の森の満開の下』『夜長姫と耳男』などがある。