国家は少数の異常な人々を挙げて、その名誉を誇るかも知れない。しかし一国の文化程度の現実は、普通の民衆がどれだけの生活を持っているかで判断すべきであろう。その著しい反映は、彼らの日々に用いる器物に現れる。
人物:柳宗悦(やなぎむねよし)
1889-1961年。東京の生まれ。学習院在学中に志賀直哉らと『白樺』を創刊。東大文学部で心理学を専攻。B.リーチに触発され、W.ブレイクを研究。1924年、ソウルに朝鮮民族美術館を開設。1926年には、浜田庄司、河井寛次郎らとともに「民芸」という言葉を創出し、民芸運動を起こした。1931年、雑誌『工芸』を創刊。1936年、東京駒場に日本民藝館を創設。