経済はもういい

 日本は本当に法治国家だろうか、と常々思う。そして法治とは何か、と考えてしまう。何を言っても、やれ、言論の自由は憲法で保証されているとか、まさに百家争鳴の感がある。議論のための議論をして楽しんでいる感すらある。

 今の裁判所は最悪である。特に地方裁判所が酷い。裁判長は全く理解不能の判断を下して、悦に入っている。個人的な思想や主義は国体を揺るがすことになる事を全く理解していない。こんな体たらくなら、日本は二審制で十分である。このままだと、世界の笑い者になるだろう。

 日本から伝統と知識がどんどん失われていく。例えば、神宮外苑の樹を全部伐採し、悪魔のソーラーパネルを敷き詰めるとか。どうしてそんな発想が出てくるのか、私には分らない。ソーラーパネルは処理費用は別として、すぐにでも撤去出来るが、樹の方はそうはいかない。

 そう言えば、ジャーナリストの門田隆将氏が新宿の若者百人(正確では無いかも知れない)に現政権は何党か聞いたところ、正確に自民党と答えた者は一人しかいなかったそうだ。加えて、大学生の会話で、かつて日本がアメリカと戦争したとの話題を「マジかよ」と大変に驚いていたという。これだもの、中国に馬鹿にされても仕方無い。

 これら若者が大都会を跋扈している。国政選挙ですら、投票率は良くて三十数パーセント。これで国政が決まってしまう。悪いが、これでは決して日本は民主主義国家だと胸は張れまい。

 大国のリーダーが明らかに新興国のリーダーに媚びを売り、見苦しいほど機嫌を取る姿を見て、子供たちは自分に自信が持てるだろうか。リーダーの演説や、インタビューの受け応えも、卑しく品が無く、虫唾が走るほど見苦しい。こんな人が我々のリーダーかと思うと情けなくなる。

 それでも、ある一定の支持率を維持しているから不思議である。どう考えても今の宰相は、史上最低の宰相だと思う。その言動を見ていると、彼のすることは総て己の利益の為である。例えば、パーティー券の問題。上限を二十万とか、五万とかで揉めているようだが、そんなもん、中国人に買わせなければいいだけの話だ。だが、それができないのだから話にならない。大の大人が、すべき問題ではない。本当にみっともない。これを各党の合意を得て、法案さえ通ってしまえば、こちらのもの。あとは、なんとでもなる。正に国民を馬鹿にした、舐め切った仕打ちなのである。

 これを分っていながら報道しないマスコミは、はっきり言って最低である。日本のマスコミは、本来の仕事を全く理解していない。

 そう言えば、日本の大学は質が凄く低下している。大学の質が落ちていることは、即ち国全体の質が落ちていることになる。大学の教授も、元官僚やジャーナリストが多い。何か恣意的な臭いがしてならない。「そんなの当たり前じゃないか」と笑い飛ばすのなら、かなり重症である。

 世の中は少子化である。一家庭に子供は一人か二人。誰もが大学まで行って当然の世の中である。ここに大きな落とし穴がある。大学を出ると、家族皆に嘱望される。従って、とにかく危険を避けたがる。危険だと思う仕事はしたくない。判断を誤って、自分の大したこと無いキャリアに傷を付けたくないからだ。

 何もしない。それが一番の処世術と信じてる。それが当たり前だと思っているから、質が悪い。