このままでは日本は潰れる

 その昔、私が子供の頃は、日本は隅々まで徹底的に破壊され尽くしていた。でも、貧しいとは思わなかった。そこに正義の思想があったからだと思う。月光仮面であり、赤胴鈴之助であり。正義は必ず勝つ。だからどんな貧乏でも耐えられたし、夢があった。

 それが今はどうだ。拝金主義が蔓延り、正義などと口にする者は嘲笑される。「金儲けは悪いことですか?」と、公然と口にして憚らない人間も出てきた。確かに悪い事ではない。だけど、口にすべき言葉ではないと、私たち月光仮面世代はそう思っている。

 私の生き様は元来、右でも左でもない。故郷日本を愛する、ただの純粋な日本人である。

 今、不思議でたまらない事がある。それは、国民のほとんどが高学歴で、それがいつの間にか左になってしまったような気がする点である。例えば、地方裁判所の裁判長が、まさかと首を捻りたくなるような判断を下す。「お前一人で良い気になるなよ。日本国体を壊すつもりか!」と、つい叫びたくなる。学生時代にどんな教育を受けて育ったのか分らないけれども、常人では理解に苦しむ判断を下してドヤ顔である。

 さて、2023年度は自民党の党員数が三万人減ったそうである。党員数を三万人増やすのは大変な労力である。そのためにも、莫大な資金が必要だろう。それなのに、報告を受けた我が総裁は「党員の獲得に向けて、信頼の回復をしながら頑張って欲しい」と述べたそうである。まるで他人事である。信頼を回復するには、総裁自ら身を引くことが一番だと思うが。

 驚く事に、現代を代表するコメンテーターたちが「あの総理の喋りを聞くと虫唾が走る」と言っているらしい。もう、重症である。試しに、総理の今までの、もっとも実行出来そうにない無味乾燥な言葉を拾ってみる。

一、総理大臣としての責任
二、所得倍増
三、デフレからの脱却
四、国民生活
五、新しい資本主義
六、異次元の少子化対策

 以上、全くもって意味不明だ。言葉として発するだけで、責任感が抜け落ちている。つまり、言うだけで何もしない、ということだ。喋ったら終わり、その場が格好良ければ満足なのである。

「誰一人取り残さない社会を目指す」

 彼の人柄からは微塵も感じられない言葉である。そんな薄っぺらな、恥ずべき総理はもういらないということだ。